AMD FreeSyncとNVIDIA G-SYNCの違い
AMD FreeSyncとNVIDIA G-SYNCの違い
AMD FreeSyncとNVIDIA G-SYNCの存在意義
AMD FreeSyncとNVIDIA G-SYNCは、液晶ディスプレイ側のリフレッシュレート(Hz)とグラフィックボード側のフレームレート(fps)を同期させ、リフレッシュレートとフレームレートのズレによって発生するティアリングやスタッタリングの低減を目的とした技術のことです。
液晶ディスプレイのリフレッシュレートはずっと一定の間隔で更新されます。どんなときでも変リフレッシュレートは変化しません。
グラフィックボード側のフレームレートは負荷状況によって変化します。FPSだと敵と撃ちあいになったり爆発などの負荷がかかるとフレームレートが一時的に低下することがあります。
リフレッシュレートとフレームレートがズレてしまうことで、映像がズレたりカクついたりもたついたりします。
AMD FreeSyncやNVIDIA G-SYNCに対応していると、ティアリングやスタッタリングが低減されて、GPUの能力を最大限生かし、ラグの無い効率の良い映像出力が可能になります。滑らかなゲームプレイが期待できます。
スタッタリング
カクつきやもたつきのことをスタッタリングといいます。
ゲームで移動中にスムーズに動いていたのに突然カクカクしたりもたついたりするとそれがスタッタリングです。
ティアリング
表示がズレたり崩れたりすることをティアリングといいます。
ティアリングやスタッタリングの参考動画
AMD FreeSyncとは
AMD FreeSyncはAMDが開発し、NVIDA G-SYNCに対抗するために2014年に発表されました。
AMD FreeSyncはロイヤリティフリーで自由に使用でき、性能面でのペナルティもありません。FreeSyncはG-SYNCとは違って、液晶ディスプレイ側にモジュールは組み込まれていません。
Radeonグラフィックボードを搭載したパソコンとAMD FreeSync対応液晶ディスプレイをHDMI/DisplayPort 1.2以降のケーブルで接続するとAMD FreeSyncが有効になります。
AMD FreeSyncはAMD製グラフィックスカードだけでなく、一部のNvidia製グラフィックスカードや一部のゲーム機にも対応しています。
AMD FreeSyncはHDMIでも機能する
当初からFreeSyncテクノロジーでは、HDMI接続がサポートされています。 FreeSync認定ディスプレイの多くでは、HDMI 2.1がリリースされ、HDMI VRRが導入されるかなり前から、HDMI接続で可変リフレッシュレート・テクノロジーがサポートされていました。 HDMI接続がサポートされているFreeSync認定ディスプレイを購入すると、ディスプレイでHDMI 2.1がサポートされていない場合でも、すぐに可変リフレッシュレートのメリットを得ることができます。
FreeSyncのデモンストレーション1
FreeSyncのデモンストレーション2
NVIDIA G-SYNCとは
G-SYNCはNVIDIAが開発し、2013年に発表されました。
液晶ディスプレイ側に「G-SYNCモジュール」という専用部品を組み込むことにより、可変リフレッシュレートに対応します。
このG-SYNCモジュールをNVIDIAから購入して組み込まないといけないので、その分液晶ディスプレイの値段上がってしまいます。
NVIDIAのグラフィックボードを搭載したパソコンと、NVIDIA G-SYNC対応液晶ディスプレイをDisplayPortケーブルで接続するとNVIDIA G-SYNCが有効になります。
G-SYNCのデモンストレーション
VESA Adaptive-Sync(DisplayPort Adaptive-Sync)とは
DisplayPort Adaptive-Syncは、DisplayPort 1.2a仕様に新たに追加されたもので、AMDからのVESAグループへの提案により、組み込み型DisplayPort v1.0仕様から移されました。
DisplayPort Adaptive-Syncは、DisplayPortリンクの主要機能で、AMD FreeSync™テクノロジーなどのテクノロジーに必要なディスプレイ・リフレッシュレートのリアルタイム調整を可能にする業界規格です。
AMD FreeSyncテクノロジーは、DisplayPort Adaptive-Syncプロトコルを使用した独特のAMDハードウェア/ソフトウェア・ソリューションです。これにより、ユーザーは、低レイテンシーでティアリングのないスムーズなゲームプレイと動画再生のメリットを享受することができます。
AMD FreeSyncはAMDが開発して、VESA Adaptive-SyncはAMDがVESAに提案して組み込ませた、と考えればいいです。
ただし、AMD FreeSyncはDisplayPortもHDMIも対応していますが、VESA Adaptive-SyncはDisplayPortのみの対応となります。
G-SYNC Compatibleの認定を受けているFreeSync液晶ディスプレイであれば、NVIDIA G-SYNCが使える
NVIDIAはCES 2019において、G-Sync Compatibleと名付けられた新しい規格のもと、FreeSync技術を搭載した液晶ディスプレイをサポートすることを発表しました。
FreeSync対応の液晶ディスプレイをNVIDIAが独自に検証して、G-SYNCと互換性のある液晶ディスプレイをG-SYNC Compatibleとして認定しました。
- G-SYNC Compatible認定を受けたFreeSync対応の液晶ディスプレイ
- NVIDIA GeForce GTX10シリーズ以降のグラフィックボードを搭載したパソコン
- FreeSyncに対応したグラフィックドライバ(GeForce 417.71 Driver以降)
- 液晶ディスプレイとグラフィックボードがDisplayPortケーブルで接続されていること
といった環境を用意すると、G-SYNCを有効にできます。
GeForce GTX10シリーズ以降のグラフィックボードでG-SYNC Compatibleに対応します。
G-SYNC Compatibleの認定を受けていないFreeSync液晶ディスプレイであっても、G-SYNCが普通に有効になって問題なく使えることもあります。
NVIDIAのグラフィックボードを搭載していて、これからゲーマー向け液晶ディスプレイを購入するのであれば、G-SYNC Compatible認定を取得している液晶ディスプレイを購入するといいでしょう。
G-SYNC Compatibleのテストで何してるの?
G-SYNC Compatible テストでは、VRR ゲーミングの間にブランク、パルス、フリッカー、ゴーストなど、画面の乱れがモニターに現れないことを検証します。また、少なくとも 2.4:1 の VRR 範囲 (例: 60Hz-144Hz) をサポートすることで、ゲームのフレーム レートを問わず、モニターが VRR で動作できること、初期設定で VRR を有効にし、ゲーマーに途切れのない体験を提供することを検証します。