【Comet Lake】【第10世代】IntelのCore i9とCore i7とCore i5とCore i3の性能の違いについてと比較。第10世代も追加しました。
Intel 第11世代Core iシリーズの性能の違いについてと比較
この記事ではデスクトップ版の第11世代Core i9, Core i7, Core i5, Core i3の機能の違いやスペックについてまとめています。
CPUは、人間で言うところの頭脳に当たる最も重要なパーツで、演算処理を行います。PC全体の処理能力を一番左右します。
はじめにCore i9/Core i7/Core i5/Core i3の用途など解説
Core i9について(超ハイエンド)
Core i9はCore i7の更に上位で、Intelの個人向けCPUでは最上位に位置するプロセッサになります。
なんでも最上位志向である、インテルで10コア20スレッドの世界を体験したい、インテル信者である、少しでもいい環境でゲームをプレイしたい、という人はいいかもしれません。
しかし、ネット上でCore i9の評判はひどいもので、ゴミ、高発熱、めちゃくちゃ電力消費する、そもそもRyzenのほうが良い、などと散々な言われようです。
Core i9-10900K+RTX2080 Superとかいう組み合わせで無限に金をかけたい人、これまでCore i3と使っていた人、第4世代くらいからそろそろ新しくしたくなった人にもよさそうです。
Core i7について(ハイエンド)
- 動画のエンコード・RAW・Photoshopなどで画像編集・動画編集など高い処理能力が要求される
- CPUの負荷の大きな作業をしたい
- 最高画質+ヌルサクでゲームがしたい
- オーバークロックして遊びたい
- パソコン1台で何でもやりたい
- Core i9を買う気にはならないけど、CPUにはお金をかけたい
と考えている人にCore i7がオススメです。
別にCore i9じゃないと動かないゲームやソフトウェアとかはないので、無理にCore i9を買う必要は全くありません。
Core i5について(ミドルレンジ)
Core i7までは予算を出せないけども、Core i7同様の用途でそこそこの処理能力が欲しいと考えている人にオススメ。
「Core i3よりもCore i5を!」と奮発してCore i5を買う人は満足しているイメージがあります。
しかし、Core i7じゃなくてもいいやと妥協してCore i5を買った人は、「あれこれゲームをプレイしたり色々な作業をやってみたりしたけど、やっぱりCore i7にすればよかった」というイメージがあります。
あのゲームは普通にプレイできるけど、このゲームだとカクカクするみたいなことがあります。
なんか不安になってきたら、もうちょっと奮発してCore i7を選んだほうがいいのではないでしょうか。
Core i3について(ローエンド)
ゲームや動画編集など重い作業をしない、ネットで動画を見たりWordやExcelを使う、DVD焼いたりする程度だという人ならCore i3がオススメ。
上記用途だとCore i3でも十分すぎるほどの性能です。第10世代ならCore i3-10100あたりを選ぶといいですよ。
CPUだけでなくメモリやSSDにもお金をかけるべき
CPUにお金をかけるのはもちろんですが、メモリやSSDにもお金をかけるべきです。
Core i9-10900Kを買うよりもCore i7の最上位モデルのCore i7-10700Kを買って、差額をメモリやM.2 SSDの費用に回すというのもアリです。
頭(CPU)だけがよくても、メモリ(机の広さ)やストレージ(机の引き出し)が少ないと、性能をしっかり発揮してくれません。
無限にパソコンにお金をかけられるなら、Core i9-10900K+メモリ32GB+NVMe M.2 SSD+2.5インチSSD+RTX2070 Superを積んで~とやっていっていいですね。
後から性能がいいCPUに載せ替えるなら最初から良いやつを買おう
CPUはこれくらいの性能があればいいでしょ、と妥協して自作PCを組んで、後からやっぱりもっと良いCPUを載せておけばよかった!と後悔したことはありませんか?
もしも経験があったら、最初から性能がいいCPUを買っておきましょう。高ければ高いほどいいです。
Coffee Lakeで1台自作しています
Core i7-8700Kで自作PCを1台組んでいます。詳細や構成はこちらから。この構成で今まで初期不良や相性問題など一切発生していません。ぜひとも参考にしてください。
第11世代Core iシリーズを購入時の注意点
Z490, H470なら第10世代→第11世代へ載せ替え可能
Intel Z490/H470チップセットを搭載しているマザーボードを使っている人は、BIOSアップデートをすれば第11世代CPUを搭載できます。(製品次第)
B460, H410チップセットは第11世代CPUは非対応です。
Intel 500シリーズチップセットの特徴
- USB3.2 Gen 2x2 20Gbpsにより、USB転送速度が2倍に
- DMI Gen 3.0x8により、チップセットとプロセッサ間の帯域幅が2倍に
- PCIe 4.0 20レーンをもつ第11世代CPUをサポート
- H570/B560チップセットでもメモリのオーバークロック機能が搭載
- ディスクリート WiFi 6E対応
- ディスクリート インテル Thunderbolt 4対応
- 統合型インテル Wireless-AX CNVi搭載
- 第10世代CPUとの互換性
第10世代Core iシリーズを購入時の注意点
第10世代CPU「Comet Lake」はIntel 400シリーズチップセット=LGA1200ソケットのみ対応!
第10世代CPUは、Intel 400シリーズチップセット=Intel Z490, H470, B460, H410チップセットを搭載するマザーボードにしか搭載できません。
- 第10世代CPU+Z490マザーボード→搭載OK
- 第10世代CPU+Z390マザーボード→搭載NG。絶対使えません
コードネーム | Comet Lake |
世代 | 第10世代 |
ソケット形状 | LGA1200 |
【対応しているチップセット】 | |
Intel Z490 | ○ |
Intel H470 | ○ |
Intel B460 | ○ |
Intel H410 | ○ |
Intel Z390 | ✕ |
Intel Z370 | ✕ |
Intel H370 | ✕ |
Intel B365 | ✕ |
Intel B360 | ✕ |
Intel H310 | ✕ |
Intel Z270 | ✕ |
Intel H270 | ✕ |
Intel B250 | ✕ |
Intel Z170 | ✕ |
Intel H170 | ✕ |
Intel B250 | ✕ |
Intel H110 | ✕ |
末尾に「F」がついたモデルは内蔵GPUありません。映像出力するためにはグラボが絶対に必須です
たとえば第10世代では、Core i9-10900KFなどの末尾に「F」がついたCPUが存在します。
この末尾にFがついたCPUには内蔵GPUが搭載されていないので、映像出力するためには別途グラボが必要になります。絶対にグラボが必要です。買ってください。
Core i9-10900KはIntel UHD Graphics 630が搭載されているので、グラボ無しでもマザーボード側の映像出力端子と液晶ディスプレイをケーブルで繋げば映像が出ます。
しかし、Core i9-10900KFには内蔵GPUが搭載されていないので、グラボを搭載してグラボ側の映像出力端子と液晶ディスプレイをケーブルで繋ぐ必要があります。
スペック表の見方について
簡潔に言うと表内の各項目の数値が高ければ高いほど性能がいいです(TDP除く)
コア数
CPU内部に物理的に存在するプロセッサコアの数。コンピュータが計算などの処理を行う部分。コア数が多ければ多いほど早く処理できます
4コアのCPUだと同時に4つの計算を処理出来る。2人で作業するよりも4人で作業したほうが早く作業が終わるし、1人あたりの作業量も減ります。
スレッド数
CPUが同時に処理できる作業の数。スレッド数が多いほど並行作業できる数も増えます。
CPU定格/TB
定格時の動作周波数とターボ・ブースト・テクノロジーが有効になっている時の最大動作周波数。どちらも値が大きいほど処理速度は高速になります。
キャッシュ
L3キャッシュのこと。データを一時的に保存する場所。キャッシュの容量が大きいほど高機能です。
TDP
TDP(Thermal Design Power)とは、そのCPUがどれくらい発熱するかを示す数値のことです。TDPが125Wになっていたら、そのCPUは125W発熱すると思えばいいんじゃないでしょうか。
CPUクーラーを購入するときは、TDPに見合ったものを購入する必要があります。
TDPの数値が大きくなればなるほど、CPUクーラーの冷却性能を気にするべきです。Core i9-10900KなんてTDP125Wとかなので、空冷CPUクーラーじゃ冷やせ無さそう、なんて言われています。
どれにしようか悩んでいるときはPCパーツショップに行って店員に聞くのがオススメです。
【第11世代】Rocket Lake-S
第11世代CPUは2021年3月30日に発売されます。
Core i9 性能比較
モデル名 | Passmark | コア数 スレッド数 | 定格周波数 TB時周波数 TVB周波数 | iGPU | キャッシュ | TDP |
i9-11900K | 26139 | 8コア 16スレッド | 3.5GHz 5.3GHz 5.3GHz | Intel UHD Graphics 750 | 16MB | 125W |
i9-11900KF | 25604 | 8コア 16スレッド | 3.5GHz 5.3GHz 5.3GHz | なし | 16MB | 125W |
i9-11900 | 17958 | 8コア 16スレッド | 2.5GHz 5.2GHz 5.2GHz | Intel UHD Graphics 750 | 16MB | 65W |
i9-11900F | 24835 | 8コア 16スレッド | 2.5GHz 5.2GHz 5.2GHz | なし | 16MB | 65W |
i9-11900T | - | 8コア 16スレッド | 1.5GHz 4.9GHz --- | Intel UHD Graphics 750 | 16MB | 35W |
Core i7 性能比較
モデル名 | Passmark | コア数 スレッド数 | 定格周波数 TB時周波数 | iGPU | キャッシュ | TDP |
i7-11700K | 25197 | 8コア 16スレッド | 3.6GHz 5.0GHz | Intel UHD Graphics 750 | 16MB | 125W |
i7-11700KF | 25126 | 8コア 16スレッド | 3.6GHz 5.0GHz | なし | 16MB | 125W |
i7-11700 | - | 8コア 16スレッド | 2.5GHz 4.9GHz | Intel UHD Graphics 750 | 16MB | 65W |
i7-11700F | 21149 | 8コア 16スレッド | 2.5GHz 4.9GHz | なし | 16MB | 65W |
i7-11700T | - | 8コア 16スレッド | 2.5GHz 4.9GHz | Intel UHD Graphics 750 | 16MB | 35W |
Core i5 性能比較
モデル名 | Passmark | コア数 スレッド数 | 定格周波数 TB時周波数 | iGPU | キャッシュ | TDP |
i5-11600K | 19983 | 6コア 12スレッド | 3.9GHz 4.9GHz | Intel UHD Graphics 750 | 12MB | 125W |
i5-11600KF | 19158 | 6コア 12スレッド | 3.9GHz 4.9GHz | なし | 12MB | 125W |
i5-11600 | - | 6コア 12スレッド | 2.8GHz 4.8GHz | Intel UHD Graphics 750 | 12MB | 6%W |
i5-11600T | - | 6コア 12スレッド | 1.7GHz 4.1GHz | Intel UHD Graphics 750 | 12MB | 35W |
i5-11500 | 18263 | 6コア 12スレッド | 2.7GHz 4.6GHz | Intel UHD Graphics 750 | 12MB | 65W |
i5-11500T | - | 6コア 12スレッド | 1.5GHz 3.9GHz | Intel UHD Graphics 750 | 12MB | 35W |
i5-11400 | - | 6コア 12スレッド | 2.6GHz 4.4GHz | Intel UHD Graphics 750 | 12MB | 65W |
i5-11400F | - | 6コア 12スレッド | 2.6GHz 4.4GHz | なし | 12MB | 65W |
i5-11400T | - | 6コア 12スレッド | 1.3GHz 3.7GHz | Intel UHD Graphics 750 | 12MB | 35W |
Core i3性能比較
モデル名 | Passmark | コア数 スレッド数 | 定格周波数 TB時周波数 | iGPU | キャッシュ | TDP |
i3-10325 | - | 4コア 8スレッド | 3.9GHz 4.7GHz | Intel UHD Graphics 630 | 8MB | 65W |
i3-10305 | - | 4コア 8スレッド | 3.8GHz 4.5GHz | Intel UHD Graphics 630 | 8MB | 65W |
i3-10305T | - | 4コア 8スレッド | 3.0GHz 4.0GHz | Intel UHD Graphics 630 | 8MB | 35W |
i3-10105 | - | 4コア 8スレッド | 3.7GHz 4.4GHz | Intel UHD Graphics 630 | 8MB | 65W |
i3-10105F | - | 4コア 8スレッド | 3.7GHz 4.4GHz | Intel UHD Graphics 630 | 8MB | 65W |
i3-10105T | - | 4コア 8スレッド | 3.0GHz 3.9GHz | Intel UHD Graphics 630 | 8MB | 35W |
【第10世代】Comet Lake(PassMarkスコアは2020年8月15日時点)
Core i9 性能比較
モデル名 | Passmark | コア数 スレッド数 | 定格周波数 TB時周波数 TVB周波数 | iGPU | キャッシュ | TDP |
i9-10900K | 24047 | 10コア 20スレッド | 3.7GHz 5.3GHz 5.3GHz | Intel UHD Graphics 630 | 20MB | 125W |
i9-10900KF | 23302 | 10コア 20スレッド | 3.7GHz 5.3GHz 5.3GHz | なし | 20MB | 125W |
i9-10900 | 21380 | 10コア 20スレッド | 2.8GHz 5.2GHz 5.2GHz | Intel UHD Graphics 630 | 20MB | 65W |
i9-10900F | 19471 | 10コア 20スレッド | 2.8GHz 5.2GHz 5.2GHz | なし | 20MB | 65W |
i9-10900T | 16991 | 10コア 20スレッド | 1.9GHz 4.6GHz - | Intel UHD Graphics 630 | 20MB | 25W |
Core i9は「Thermal Velocity Boost」に対応
インテル® Thermal Velocity Boost (インテル® TVB) は、プロセッサーが最高温度未満で動作し、かつターボ機能に割り当てられる電力がある場合に、シングルコアとマルチコアのインテル® ターボ・ブースト・テクノロジーの動作周波数以上に、プロセッサーのクロック周波数を自動的に上昇させる機能です。周波数の上昇値とその持続時間は、ワークロード、プロセッサーの性能、冷却ソリューションに応じて変動します。
Core i7 性能比較
モデル名 | PassMark | コア数 スレッド数 | 定格周波数 TB時周波数 | iGPU | キャッシュ | TDP |
i7-10700K | 19714 | 8コア 16スレッド | 3.8GHz 5.1GHz | Intel UHD Graphics 630 | 16MB | 125W |
i7-10700KF | 19442 | 8コア 16スレッド | 3.8GHz 5.1GHz | なし | 16MB | 125W |
i7-10700 | 17605 | 8コア 16スレッド | 2.9GHz 4.8GHz | Intel UHD Graphics 630 | 16MB | 65W |
i7-10700F | 14063 | 8コア 16スレッド | 2.9GHz 4.8GHz | なし | 16MB | 65W |
i7-10700T | 12425 | 8コア 16スレッド | 2.0GHz 4.5GHz | Intel UHD Graphics 630 | 16MB | 65W |
Core i5 性能比較
モデル名 | PassMark | コア数 スレッド数 | 定格周波数 TB時周波数 | iGPU | キャッシュ | TDP |
i5-10600K | 14889 | 6コア 12スレッド | 4.1GHz 4.8GHz | Intel UHD Graphics 630 | 12MB | 95W |
i5-10600KF | 15369 | 6コア 12スレッド | 4.1GHz 4.8GHz | なし | 12MB | 95W |
i5-10600 | 14196 | 6コア 12スレッド | 3.3GHz 4.8GHz | Intel UHD Graphics 630 | 12MB | 65W |
i5-10600T | - | 6コア 12スレッド | 2.4GHz 4.0GHz | Intel UHD Graphics 630 | 12MB | 25W |
i5-10500 | 13380 | 6コア 12スレッド | 3.1GHz 4.5GHz | Intel UHD Graphics 630 | 12MB | 65W |
i5-10500T | 10512 | 6コア 12スレッド | 2.3GHz 3.8GHz | Intel UHD Graphics 630 | 12MB | 35W |
i5-10400 | 12840 | 6コア 12スレッド | 2.9GHz 4.3GHz | Intel UHD Graphics 630 | 12MB | 65W |
i5-10400F | 12644 | 6コア 12スレッド | 2.9GHz 4.3GHz | なし | 12MB | 65W |
i5-10400T | - | 6コア 12スレッド | 2.0GHz 3.6GHz | Intel UHD Graphics 630 | 12MB | 35W |
Core i3 性能比較
モデル名 | PassMark | コア数 スレッド数 | 定格周波数 TB時周波数 | iGPU | キャッシュ | TDP |
i3-10320 | - | 4コア 8スレッド | 3.8GHz 4.8GHz | Intel UHD Graphics 630 | 8MB | 65W |
i3-10300 | 9381 | 4コア 8スレッド | 3.7GHz 4.4GHz | Intel UHD Graphics 630 | 8MB | 65W |
i3-10300T | - | 4コア 8スレッド | 3.0GHz 3.9GHz | Intel UHD Graphics 630 | 8MB | 35W |
i3-10100 | 9078 | 4コア 8スレッド | 3.6GHz 4.3GHz | Intel UHD Graphics 630 | 6MB | 65W |
i3-10100T | 7589 | 4コア 8スレッド | 3.0GHz 3.8GHz | Intel UHD Graphics 630 | 6MB | 25W |
Passmarkのスコアまとめ(性能の目安になります)
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オーバークロックとは
オーバークロックとは、CPUを定格時/TB時の動作周波数よりも高い動作周波数で動作させること。オーバークロックすることにより高い処理能力を得られます。
ただしオーバークロックをすると通常時よりもCPUの発熱が増えるというデメリットもあります。
Skylakeの場合は、Core i7-6700KまたはCore i5-6600KとZ170チップセットを搭載したマザーボードでオーバークロックが可能です。
Core i7-6700Kの定格動作周波数は4.0GHzですが、Z170マザーボードなどの設定を変更することにより4.5GHzで動作させることが出来ます。
設定に寄ってはそれ以上も可能ですが、発生する熱を逃がすためにより高性能なCPUクーラーを用意する必要があります。
ソフトウェアで簡単なオーバークロックが可能
マザーボードメーカー各社が独自のソフトウェアを提供し、ソフトウェア上で簡単なオーバークロックを出来るようにするソフトウェアを提供しています。ちょっと試してみたいとかいう人向けのカジュアルなやつです。
環境がある人もない人も興味が湧いた人は試してみましょう。
AMD Ryzenはこちら
以上。参考になれば幸いです。
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