【Intel Skylake】Z170, H170, B150, H110チップセットの違いについてまとめました。
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Z170 H170 B150 H110チップセットの違い 早見表
Z170 | H170 | B150 | H110 |
区分 | |||
パフォーマンス | メインストリーム | ビジネス | - |
Skylake(LGA1151)CPUをサポートしている | |||
○ | ○ | ○ | ○ |
ソケット形状 | |||
LGA1151 | |||
オーバークロック | |||
○ | × | × | × |
サポートしているメモリ | |||
DDR4-2133 DDR3L-1600 | DDR4-2133 DDR3L-1600 | DDR4-2133 DDR3L-1600 | DDR4-2133 DDR3L-1600 |
メモリチャンネル数及び搭載可能容量 | |||
2ch(64GB) | 2ch(64GB) | 2ch(64GB) | 2ch(32GB) |
PCI Express 3.0レーンの構成 | |||
1x16 or 2x8 or 1x8+ & 2x4 | 1x16 | 1x16 | 1x16 |
PCI Expressレーンの最大数 | |||
20 | 16 | 8 | 6 |
Intel Rapid Storage Technology (RAID 0, 5, 10出来るか否か) | |||
○ | ○ | × | × |
Intel Smart Response Technology(SSDをキャッシュにしてHDDを高速化する機能) | |||
○ | ○ | × | × |
Intel Smart Business Advantage | |||
× | ◯ | ○ | × |
SATA3ポート数 | |||
6 | 6 | 6 | 4 |
USB3.1 type-Cポート | |||
マザーボード次第 | |||
USB3.0ポートの最大数 | |||
10 | 8 | 6 | 4 |
USB2.0ポートの最大数 | |||
14 | 14 | 12 | 10 |
SATA Expressコネクタ数 | |||
3 | 2 | 1 | 0 |
IRST for PCIe Storage(M.2 or SATA ExpressでのRAID 0, 1, 5, 10?) | |||
◯(3) | ◯(2) | ×(1個なので無理) | × |
Intel ME 11 Firmware and BIOS Support | |||
◯ | - | - | - |
Intel Extreme Tuning Utility Support | |||
◯ | ◯ | ◯ | - |
Intel Device Protection Technology with Boot Guard | |||
◯ | ◯ | ◯ | - |
QSVエンコード | |||
◯ | ◯ | ○ | 不明 |
Intelのチップセットのページ | |||
Z170 チップセット | H170 チップセット | B150 チップセット | H110 Chipset |
SKylakeをサポートしている
Z170 | H170 | B150 | H110 |
○ | ○ | ○ | ○ |
全てのチップセット/マザーボードがIntelの第6世代CPU「Skylake」のデスクトップ向けCore i7, Core i5, Core i3, Pentium, Celeronに対応しています。ソケット形状はLGA1151。
デスクトップ向けCPUとノートパソコン向けCPUとはソケット形状が異なります。
Z170, H170, B150, H110チップセットにノートパソコン向けCPUを搭載することは出来ません。その逆も同じです。出来ません。
UEFI BIOSアップデートでKaby Lakeもサポート
Z170, H170, B150, H110マザーボードは、UEFI BIOSを最新バージョンにアップデートすることで第7世代CPU「Kaby Lake」に対応します。
自分の使っているマザーボードや購入予定のマザーボードがKaby Lakeに対応しているかどうかは各メーカーのページを御覧ください。大体対応しているはずです。
Kaby Lake搭載時はWindows 10のみ対応!
「Kaby Lake」を搭載時の対応OSはWindows 10 64bitのみとなり、Windows 8.1/8、Windows 7はインストール出来ません。
「Skylake」を搭載時の対応OSはWindows 10 64bit、Windows 8.1 64bit、Windows 7 32bit/64bitになります。
オーバークロック
Z170 | H170 | B150 | H110 |
○ | × | × | × |
Z170チップセットのみがCore i7-6700KおよびCore i5-6600Kのオーバークロックに対応しています。
オーバークロックとは
オーバークロックとは、CPUの動作周波数を個別に引き上げることにより、コア、グラフィックス、メモリの周波数を高める機能のこと。オーバークロックすることにより通常よりも高い処理能力を得られます。ただしオーバークロックをすると通常時よりもCPUの発熱が増えるというデメリットもあります。
Skylakeの場合は、CPUにCore i7-6700KまたはCore i5-6600Kと、Z170チップセットを搭載したマザーボードを組み合わせることでオーバークロックが可能です。
Core i7-6700Kの定格動作周波数は4.0GHzですが、Z170マザーボードなどの設定を変更することにより4.5GHz、またはそれ以上で動作させることが出来ます。ただし先述したように通常時よりも発熱が増えるため、大型の空冷CPUクーラー・水冷CPUクーラーを用意する必要があります。
「◯◯が5.0GHz到達、6.0GHz到達」という記事が新しいCPUが出てきた時によく見られますが、それらはオーバークロックが職業みたいな人が液体窒素で冷やして到達させているので、普通の人が5.0GHz, 6.0GHzで動作させることはまず不可能です。
サポートしているメモリ
Z170 | H170 | B150 | H110 |
DDR4-2133 DDR3L-1600 | DDR4-2133 DDR3L-1600 | DDR4-2133 DDR3L-1600 | DDR4-2133 DDR3L-1600 |
Skylake-SではDDR4メモリが主流になっています。DDR4メモリはDDR3メモリの次世代にあたる規格のこと。DDR3メモリの駆動電圧は 1.5Vですが、DDR4メモリでは1.2Vと省電力になっているため、マシンの省電力化が期待できます。しかし、たかが0.3V下がっただけなので劇的に省電力になるというわけではありません。
Skylake世代のCPU自体はDDR4-2133とDDR3L-1600の2つのメモリに対応していますが、現在発売されているマザーボードはDDR4メモリのみに対応しているマザーボードが主流で、DDR3Lメモリに対応しているマザーボードは1つもありません。ただし例外として、Shuttleなどの一部のベアボーンキットではDDR3Lメモリが使用可能です。
DDR4メモリに対応しているマザーボードと比べたら製品数は少なく、スペックもそこそこですがDDR3メモリに対応しているマザーボードもあります。
詳細はDDR3メモリが使えるSkylake(LGA1151)マザーボードまとめを参照して下さい。
メモリチャンネル数及び搭載可能容量
Z170 | H170 | B150 | H110 |
2ch(64GB) | 2ch(64GB) | 2ch(64GB) | 2ch(32GB) |
Z170, H170, B150チップセットは、メモリスロットは最大4つで、1つのメモリスロットで16GBのメモリを認識します。メモリは最大で64GBまで搭載可能です。デュアルチャネルをサポートしています。
H110チップセットはメモリスロットは2つ、1つのメモリスロットで16GBまでのメモリを認識します。メモリは最大で32GBまで搭載可能です。デュアルチャネルをサポートしています。
ATX規格のマザーボードはサイズが大きいので、メモリスロットが4つあり、メモリを最大で64GBまで搭載可能です。
しかし、microATX規格またはMini-ITX規格のマザーボードや、Intel NUCやGIGABYTE BRIXなどの小型PC自作キットに搭載されているボードはサイズが小さく、マザーボードのスペースが限られているため、「メモリスロットは2つだけ&メモリを最大で32GBまで搭載可能」という仕様になっていることが多いです。要するに設計上の都合です。
【CPU】PCI Express 3.0レーンの構成
Z170 | H170 | B150 | H110 |
1×16 or 2×8 or 1×8+ & 2×4 | 1×16 | 1×16 | 1x16 |
PCI Express3.0レーンの構成は以上の通り。こちらはZ97, H97マザーボードの時から変化ありません。
【チップセット】PCI Express3.0 最大レーン数
Z170 | H170 | B150 | H110 |
20 | 16 | 8 | 6 |
PCI Express3.0の最大レーン数は以上の通り。Z170チップセットは20。Z97チップセットよりも増えています。
Z170チップセットではM.2スロット用に最大4レーン(PCIe 3.0 x4)を割り当てるとされています。Z170マザーボードではマザーボードメーカー各社がこぞって「32Gb/sの転送速度に対応するPCIe 3.0 x4接続のM.2スロット」を搭載し始めたのはこれが理由です。
Intel Rapid Storage Technology (RAID 0, 1, 5, 10対応)
Z170 | H170 | B150 | H110 |
○ | ○ | × | × |
HDDを2台以上搭載した場合、RAID 0/1/5/10 を利用してデジタル写真、ビデオ、データファイルへの高速アクセスを実現したり、HDD障害時のデータ保護性能を高めることができます。また、外付け用SATA (eSATA) をサポートしており、SATAインターフェイスと外付け機器間で最高転送速度3Gb/sが実現されます。
Intel Smart Response Technology
Z170 | H170 | B150 | H110 |
○ | ○ | × | × |
小容量SSDの高速なパフォーマンスと大容量のHDDを組み合わせてHDDを高速化する機能。そもそもSSDがあるならSSDにOSをインストールすればいいのではないか、貴重なSATAポートを1つ使ってしまってもいいのか?と思いますが、余ったSSDを有効活用したいという人は利用してみてもいいかもしれません。
Intel Smart Business Advantage
Z170 | H170 | B150 | H110 |
× | ◯ | ○ | × |
ビジネスPC向けの機能。
インテル vProテクノロジー対応システムと組み合わせて利用することで、スケジュールに沿った保守タスク (Windows Update、ウイルス・パターンファイルの更新など) の実行やUSBデバイスの接続制限、ソフトウェアからの攻撃監視などができる機能。説明を見てもピンとこない人には全く必要ありません。
SATA3ポート数
Z170 | H170 | B150 | H110 |
6 | 6 | 6 | 4 |
Z170, H170, B150チップセットのSATA3ポート数は6個、H110チップセットは4個。ちなみにSATA2ポートはIntel 100シリーズにおいては全てのチップセットで撤廃されています。
なお、SATA3ポートが8個ないし10個あるマザーボードは、各メーカーが独自にASMediaやMarvellのSATAコントローラを搭載してSATA3ポートを増設しているものです。Z170マザーの上位モデルではチップセットが制御するSATA3ポート6個+独自に増設した4個の合計10個を搭載している物が多くあります。
ちなみにチップセット制御のSATA3ポートの方が転送速度が速いです。ASMediaなど増設されたSATAコントローラが制御するSATA3ポートは1~2割程度速度が落ちるため、SSDやHDDはまずチップセット制御のSATA3ポートに接続するようにしましょう。どうしても空きがなかったり相性が発生する場合のみ接続するようにしましょう。
USB3.1 type-Cポートの数
Z170 | H170 | B150 | H110 |
マザーボード次第 |
USB3.1はUSB3.0の拡張規格として策定されたもので、理論上の転送速度は10GbpsとUSB3.0の2倍の転送速度を誇ります。あくまで理論上なのでフルに発揮されるというわけではありません。
USB3.1 type-Aは従来通りですが、USB3.1 type-CではUSBの裏表の関係なく挿せるようになるため、USB機器をポートに挿す時に「あれ?こっちが表だっけ?」と悩むことがなくなります。他にも、Thunderbolt 3(DispplayPort)として液晶ディスプレイに映像を出力することも可能です。
Skylake世代ではUSB3.1 type-Cポートを搭載したマザーボードが多くなっています。Intel製のUSBコントローラを使用しているものもあれば、ASMedia製のUSBコントローラを使用しているものもあります。性能はIntel製の方が良いですが製品数は少ないです。
USB3.0ポートの最大数
Z170 | H170 | B150 | H110 |
10 | 8 | 6 | 4 |
Z170チップセットはUSB3.0ポートを最大で10個搭載可能。とはいえ、PCケースのバックパネルのスペースが限られているので10個搭載しているマザーボードなんてそうそうありません。
USB2.0ポートの最大数
Z170 | H170 | B150 | H110 |
14 | 14 | 12 | 10 |
Z170チップセットはUSB2.0ポートを最大で14個搭載可能。こちらもUSB3.0ポートと同様に14個搭載しているマザーボードなんてそうそうありません。
SATA Expressコネクタ
Z170 | H170 | B150 | H110 |
3 | 2 | 1 | 0 |
SATA Expressコネクタはストレージとの内部接続にPCI Expressを採用することで、SATA3の最大転送速度6Gbpsを上回る転送速度10Gbpsを実現。搭載の有無や転送速度はマザーボードによります。Intel 100シリーズの一部のマザーボードでは16Gbpsになっているものもあります。
Z170チップセットはSATA Expressコネクタを最大3つ搭載可能。H170チップセット、B150チップセットはそれぞれ1個ずつ減っていっています。H110チップセットに至っては1つも搭載されていません。
ただし、マザーボードの内部で帯域を共有しているのでSATA Expressコネクタを使用するとSATA3ポート2つが使えなくなったり、M.2スロットが使えなくなるという排他仕様になっています。
M.2スロット
Z170 | H170 | B150 | H110 |
1 | 1 | 0 | 0 |
M.2スロットはストレージとのインタフェースにPCI Expressを採用することで、SATA3の最大転送速度6Gbpsを大幅に上回る最大転送速度32Gbpsを実現しています。搭載の有無や転送速度ははマザーボードによります。Intel 9シリーズのマザーボードではASRockだけが32Gbpsでしたが、Intel 100シリーズのマザーボードではASRock以外のASUSTeK, GIGABYTE, MSIも32Gbpsに引き上げています。
こちらもマザーボードの内部で帯域を共有しているので、M.2スロットを使用するとPCI Expressスロットが使えなくなったりします。
M.2に対応している製品はSSDなどがありますが、SATAタイプとPCI Expressタイプの2つがあります。SATAタイプだと従来通りに600MB/s(実際は550MB/s程度)までしか出ませんが、PCI ExpressタイプだとSATAを超えた高速な転送速度が期待できます。
M.2 SSDではIntel Smart Response Technologyやブートデバイスとしての使用もサポートしています。
Intel Device Protection Technology(Boot Guard)
Z170 | H170 | B150 | H110 |
◯ | ◯ | ◯ | - |
マルウェアや未知のソフトウェアがOSのブートブロックを書き換えることをハードウェアレベルで防いでくれる機能。
QSVエンコード
Z170 | H170 | B150 | H110 |
◯ | ◯ | ○ | - |
QSV(Quick Sync Video)とは専用回路として実装された高速に動画をエンコードしてくれる機能のことで、スマホやタブレット端末などにPCで録画したTV番組などを入れない、見ない人には全く縁のない機能。
用途で選ぶなら
- Z170>H170>>B150>>>>H110の順番で搭載されているコネクタ類や機能が豊富です
- 一番性能がいいものを求めるなら・ガチゲーマーやグラフィックカード2枚差しならZ170マザーボード一択
- そこそこ性能が良いものを求めるなら・グラフィックカード1枚挿しなら安めのZ170/H170マザーボード
- 安く・手堅く組みたいならH170/B150マザーボード
- とにかく安く組み上げたいならH110マザーボード一択
大雑把ですが大体これで合ってると思います。各項目の詳細は判明次第まとめていきます。表に間違いがあればコメントして頂ければ即修正します。
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